2021.09.30 フィリピン人採用外国人採用ノウハウ
こんな外国人は雇用できません〜雇用できない外国人とは?〜
1740 view
「雇用できない外国人っているの?」
「就労できない在留資格はどんなものがあるの?」
「不法滞在者を雇用するとどうなるの?」
外国人雇用をしたことがない企業にとって、不法就労や在留資格について意識する機会はほとんどないのではないかと思います。
中には、「不法就労なんて本当にあるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
しかし、実際に外国人の中でも、日本で雇用できる人と雇用できない人がいます。
これから外国人雇用を考える場合、「雇用できない外国人」を把握することは、非常に重要です。
そこで今回は、「雇用できない外国人とはどんな外国人なのか?」についてご紹介します。
- 雇用できない外国人の3つのパターン
- 偽造された在留カード
- 仮放免許可書
また、不法就労者を雇用した場合に、企業に課せられる罰則についても解説していますので、併せてご確認下さい。
雇用できない外国人の3つのパターン
全ての外国人が、日本で就労できるわけではありません。中には、日本では雇用できない外国人もいます。
雇用できない外国人は、大きく分けて3つのパターンがあります。
不法滞在者や被退去強制者
不法滞在者や被退去強制者に該当する外国人は、原則日本で雇用することはできません。
不法滞在者とは、在留期限が過ぎたオーバーステイ、密入国者などのことをいいます。
外国人は、日本で就労する際、在留カードが発行されます。
在留カードには有効期限があり、有効期限までに更新を忘れるとオーバーステイとなり、日本で滞在ができません。そのため、不法滞在として扱われ、日本で就労することができなくなってしまいます。
また、日本滞在中に何か事件などを起こした場合、退去強制令書が発行され、強制送還されます。
しかし、難民申請中や国籍国政府が身柄の引き取りを拒否したことで送還することができないことを理由に、一定の条件のもとで一時的に収用を解かれている外国人がいます。そういった外国人を被退去強制者といい、被退去強制者は、日本で就労することができません。
出入国在留管理庁から許可を受けていない外国人
就労が認めていない在留資格や、難民認定申請中の外国人が許可なく日本で働くことはできません。
就労が認められていない在留資格は、以下の5種類です。
- 留学:日本の大学や専門学校、日本語学校に通う学生
- 文化活動:日本文化に関する研究者など
- 短期滞在:観光やスポーツ、親族の訪問など
- 研修:技能習得を目的に日本に滞在する研修生
- 家族滞在:日本で就労を目的として滞在している外国人の被扶養者(夫や妻、子供など)
留学生や観光を目的に日本に入国した旅行客などが、許可を得ずに日本で働くことは禁止されています。
しかし、在留資格「留学」「家族滞在」の場合、出入国在留管理庁から「資格外活動許可」を取得することで、一定の条件を超えない範囲で日本での就労が可能です。
資格外活動許可で与えられる条件は、在留資格によって異なり、以下の通りです。
- 留学:1日8時間以内、週に28時間以内
- 家族滞在:週に28時間以内
在留資格「留学」「家族滞在」を持った外国人が面接に来た場合、在留カード裏面の「資格外活動許可」が記載されているかどうかを必ず確認するようにしましょう。
在留資格の活動範囲を超えた活動を行う外国人
日本で就労ができる在留資格の中には、一定の条件の中で就労が認められているものがあります。
それを「就労ビザ」をいい、就労ビザには2021年9月時点で19種類あります。
就労ビザの種類や、そもそも就労ビザって何?という方には、就労ビザの種類や取り方についてまとめた記事がありますので、こちらをご覧ください。
『就労ビザの取り方と種類をご紹介!在留資格とは違うの?』
就労ビザとは、日本で就労を目的とした在留資格の総称です。
就労ビザは、種類によって活動できる業種が限られているため、外国人が働こうとしている業種と在留資格が合致しているか確認する必要があります。
例えば、ITエンジニアの募集をした際に、前職が看護師の外国人を雇用することになった場合。
ITエンジニアの在留資格は「技術・人文知識・国際業務」ですが、採用が決まった前職・看護師の在留資格は「看護」です。
そのため、このままの在留資格で雇用することはできません。
このように、就労ビザの種類と働こうとしている会社の業種が異なる場合、就労ビザの変更手続きを行う必要があります。
もし、就労ビザの変更手続きを行わずに雇用してしまった場合、不法就労・不法就労助長罪として外国人・企業共に罰則が与えられてしまうため、注意が必要です。
これを持っていると雇用できない!在留カードと仮放免許可書
日本に滞在している外国人の中には、「偽造された在留カード」や「仮放免許可書」を持った外国人がいます。この2つを持った外国人は、原則就労することができません。それぞれについて詳しくみていきましょう。
偽造された在留カード
近年では、偽造された在留カードで就労しようとする外国人が増えていると問題視されています。
「令和元年における警察庁の組織犯罪の情勢」によると、偽造在留カードの検挙件数は2016年には一度減少したものの、それ以降年々増え続けており、2019年では748件と過去最多を記録しています。
実際にも、偽造在留カードで就労した外国人を雇用したとして企業が書類送検されるという事件も発生しており、偽造在留カードではないかどうか、雇用する前にしっかりと確認することが必要です。
偽造在留カードの見分け方については、「出入国在留管理庁が提供する資料」をご確認下さい。
参照:「令和元年における警察庁の組織犯罪の情勢」、「令和2年版犯罪白書」、「出入国在留管理庁:不法就労に関する資料」
仮放免許可書
仮放免許可書とは、「収容令書」又は、「退去強制令書」によって既に退去強制されることが決まって収容されている外国人の中で、健康上の問題や職権によって一時的に身柄の拘束を解かれる際に発行される書類です。
仮放免許可書の裏面に、「職業又は、報酬を受ける活動に従事できない」という条件が記載されている場合、これを持つ外国人を雇用することができません。
しかし、仮放免許可書の裏面に何も記載がない場合、在留資格の範囲内での就労が可能です。
その際、必ず在留カードを確認し、不法就労に該当しないかどうかしっかりと確認するようにしましょう。
雇用できない外国人は在留カードから判断する
雇用できない外国人は、基本的には在留カードによって判断することができます。
在留カードを確認する際は、必ず実物での内容確認が必要です。在留カードのコピーでは、内容を改ざんされることがあるため注意しましょう。
在留カードの確認事項については詳しく解説した記事がありますので、併せてご確認ください。
『在留カードとは?外国人採用時の確認事項、更新方法など徹底解説!』
不法就労者を雇用した場合の罰則は?
もしも、不法就労者を雇用してしまった場合、外国人本人はもちろん、企業側も「不法就労助長罪」に該当し、「3年以下の懲役若しくは、300万円以下の罰金又はその併科」という罰則が科せられます。
雇用した外国人が、不法就労者と知らずに雇用してしまった場合でも、偽造在留カードではないかのどうかの確認が行われていないなど、企業に過失があることで罰則の対象になります。
不法就労者と知らずに雇用した場合でも、「知らなかった」では済まされないため、在留カードの確認を怠らないように注意が必要です。
まとめ
外国人労働者の数が増え続ける日本では、不法就労や偽造在留カードの検挙件数も増加しています。
雇用ができない外国人には、オーバーステイや密入国者以外にも、主に就労ビザなどの在留資格によって活動が制限されている外国人や、就労を目的としない在留資格をもった外国人も含まれます。
今後、外国人雇用を行う際は、不法就労に該当しないかどうかの確認をしっかりと行うことが大切です。
偽造在留カードや在留資格に十分注意しつつ、企業の今後の発展を目指して、外国人人材の採用も是非ご検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社アドバンスドエンジニアリングは、外国人人材派遣や登録支援機関として豊富な経験があります。
外国人雇用について、何かお困り事等がありましたら、ご相談、ご質問も承っておりますので、是非お問い合わせお待ちしております。
【人材をお探しの企業様 お問い合わせ (平日 9:00〜18:00)】
- 東京:03-6262-8451
- 京都:075-555-3426
人材をお探しの企業様 お問い合わせ
参考URL:https://biz.jopus.net/visa/residential_status/can-cannot-work-in-japan.html
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/anzen/live_in_tokyo/tekiseikoyo.html
https://www.moj.go.jp/isa/content/001331800.pdf
https://dsg.or.jp/column/working/3003/